料金表に載っていないサービスは、ぜんぶタダ働きになる

当時の私の仕事は、顧客の会社がその客先に持っていく提案書だったり
顧客に商品を売り込む営業ツールだったりします。

何か、モノがあるわけではなく
A4版の用紙に、図解で分かりやすくプレゼンする資料です。
プリントした紙のときもあれば、データで納品することもあります。

原価が無い、物としてのカタチの無い商品です。

カタチのないサービス商品の営業は難しい

営業先を広げようと活動を始めると...
私のことをまったく知らない人に
 ・自分は、こんな人
 ・こんな専門家で
 ・こういうサービスを提供している
 ・そして、そのサービスは競合とこういう違いがある
と言うことを伝えないといけません。

初対面ですから信用もゼロから積上げていく必要があります。

相手は、池田さんはどんな人で、言っていることは信頼できるの?
口では、何とでも言えるけれど信用して任せて良いのか?
期待している提案書や営業ツールを作る実力はあるのか?
心配です。

私の方としても、信用してもらえるにはどうしたら良いか?
考えないといけません。

それに、顧客の望んでいる内容を具体的に理解しないと見積もりもできない。
見積金額に納得してもらえる見積項目を明確にしないといけない。

これが難しい。

顧客は、やって欲しいことはあるのですが具体的になっていません。
納得を得られる見積には、かなり取材して聴き込まないといけません。
その過程で、やりたいことの概要、目的・目標の確認などなど
言語化していかないといけません。
言語化するということは文書にするということです。

でも、この分の請求はできません。

難しいのは、どこまでが無料の営業活動で、
どこから有料になるのか....これが問題です。

若い時は、何とか仕事にしようとするのですが...
なかなか上手く行きません。

何度も打ち合わせに通って、結局ゼロと言うこともあります。

私が間違っていたのは...
「図解で、分かりやすい文書を作成します」と言う成果の提供だったことです。

その成果をえるために必要なことは
 ・顧客の特定
 ・顧客の困っていること、解決したい問題の明確化(ビフォー)
 ・顧客の得たい成果(アフター)
 ・段階的な目標の設定
 ・自社の提供できる商品の活用方法
など、明確にすることが必要なのです。

これらを言語化した結果として、
企画書や提案書・営業ツールと言う
文書としての成果物が出来上がります。

私は、この認識が甘かったんです。
「図解で、分かりやすい文書作成します」と営業していたのです。

だから、文書にまとめ上げる手前までの作業は...
負担の大きいな作業ですが営業行為や準備作業として
受注できなかったら無料になってしまいます。

ここで、何度も無駄な営業活動をしてしまいました。

営業活動には、すべてお金がかかります。
仕入れはありませんが、
時間もたくさんかかりますし交通費などの経費もかさみます。

安定収入の無い自営業には、ジャブのようにダメージが積み上がります。

商品化が行動と成果を決める

自分は一生懸命やったと言ったとしても
料金表に載っていないサービスは、ぜんぶタダ働きになります。
私の場合は、文書作成と言う商品だったので、それ以外は全部無料です。

実は、文書作成のための準備作業の方が負荷がかかり時間も必要でした。
ここを料金表にしておくことが必要だったんです。

文書作成の前に必要なことは
 ・何を実現する文書なのか、手持ちの資源や戦略を言語化する
 ・分かりやすい文書にまとめる

と言う段階が必要だったのです。

これを意識するようになって
「何でもいいから、売れる資料が欲しいんだよ」と言う人を相手に
しないですむようになりました。

これが、精神的にも時間も経費も楽になりました。

自分は、どんな価値を提供するのかしっかり考えることが重要

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